天ぷらバスで行く、岐阜県・多治見お茶碗リサイクルツアーに参加しました

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1泊2日で、陶器の街、岐阜県多治見市へ「お茶碗リサイクルツアー」――。5月29日、30日、エコメッセ西東京が西東京市で一緒にお茶碗リサイクル活動をしている「ごみ資源化市民会議」とともに、お茶碗リサイクルの過程を見学に行きました。

ツアーで乗ったバスは、使用済みの天ぷら油から生まれたVDFで走る「天ぷらバス」。いらなくなったものを再び活用する循環型社会は、目の前までやってきているようです。

 

ツアーは1日で岐阜県の3社を回るハードスケジュール。お茶碗を砕いて粉にし、陶器用の粘土に変え、食器として焼き上げるまでの過程を一通り見ることができました。

まず訪れたのは、神明リフラックス(株)。

(http://www.shinmei-gr.co.jp/100top.html)

ガラスくず、コンクリートくずなどの産業廃棄物を粉砕する機械を持つ会社。電柱に絶縁体として使われている碍子(がいし)も大量に回収されていました。いらなくなったお茶碗を粉砕する機械があり、大きな音を立ててお茶碗を砕いていました。

 

砕いたお茶碗の破片をベルトコンベアーで運んで、さらに細かくしていきます。最終的には粉になります。

 

こちらで、リサイクル陶磁器のR20とR50について説明を受けました。リサイクルお茶碗の粉を20%使用した陶器をR20と呼びます。最近ではリサイクル陶土50%のR50が開発され、陶器の半分がリサイクルお茶碗で作られたものが登場しています。まだまだ、いらなくなったお茶碗100%でリサイクルお茶碗を作ることはできないのです。

次に訪れたのが、ヤマカ陶料株式会社。

(http://www.ymk-toryo.co.jp/index2.html)

陶器用の粘土(陶土)や釉薬を製造している会社で、こちらでは使い古したお茶碗から陶土を作り、リサイクル土として販売しています。

西東京市のお茶碗リサイクルで回収したお茶碗がちょうど届いていたので、お茶碗との思いがけない再会に皆しばし感慨に浸っていました。

ここにも、いらなくなったお茶碗がどっさり。中には一緒に混ぜられない素材のお茶碗もあるそうで、例えば「BONE CHINA」と呼ばれる陶磁器は一緒に粉にしないよう、見つけたら別の籠に入れます。

 

こちらの機械では、石と素材をまぜて、粘土の素を作成。丸い大きな機械が回転する中で石が素材をすりつぶします。

最後に、出来上がった粘土の素を乾燥させます。1枚1枚の板が、新しい粘土の板です。

   

こちらが完成した陶土。袋につめて出荷しますが、お客様の要望に合わせてさらに乾燥させるために袋から出したりもするそうです。

    

そして最後に訪れたのが、山津製陶(株)。

(http://www.yamatsu.co.jp/)

陶土から陶磁器を製造している会社で、学校給食用の食器などを作っています。

陶土を器の形にし、素焼き、釉掛け(くすりがけ)、本焼きまでをベルトコンベアーを通したライン製造で行っていました。

   やってきた陶土を…

   機械で広げて

   お椀の形ができあがり。

こちらは、素焼き前のお皿と、素焼き用の窯。

  

素焼きが終わったら、釉薬を塗り、本焼き用の受け皿に乗せて運びます。

  

出来上がったお皿が運ばれてきました。傷がないかなどの最終チェックを通ったら、新しい食器の誕生です。

リサイクル陶土を必要としてくれるところはまだまだ少ないようで、どの会社でも本業の合間にリサイクルお茶碗の活動に取り組んでいます。お茶碗を長く使うことはもちろん大切ですが、いらなくなったお茶碗をリサイクルする循環が回るためにも、リサイクル陶土の普及や認知の向上、用途の開拓が必要だと感じました。

 

エコメッセ西東京 進藤 陽一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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